読んだ本の感想や紹介

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アルスラーン戦記1 王都炎上 第1章

初版は角川文庫1986年。

「出版元と判型を変更しての再出発」とのことで2003年2月25日光文社カッパ・ノベルス初版で、次の第2巻王子二人と合わせて1冊になっています。

イラストも角川文庫版の天野喜孝さんから、丹野忍さんにバトンタッチ。

表紙はアルスラーンと告死天使(アズライール)。

 

第1章 アトロパテネの会戦
<感想>
国王と王太子の不自然な関係性、大将軍ヴァフリーズが王家への忠誠ではなく王太子個人への忠誠を誓わせるという謎の言動、最強の騎兵隊の惨敗、裏切ったはずのカーラーンが主張する正統性などによって、ぐいぐい話に引き込まれました。聡明そうなアルスラーンダリューンの驍勇の片鱗も感じることができ、今後が楽しみなキャラクターの魅力を感じました。

 

<あらすじ>

パルス暦320年10月16日。西北方のマルヤム王国を滅亡させたルシタニア王国軍がパルス王国に侵入し、アトロパテネ野でパルス王国軍と会戦する。パルス王国王太子アルスラーン初陣。

最強の騎兵隊を持つパルス王国が絶対的に有利な平原での戦いだが、霧に包まれた平原を見て、アルスラーンは不安を感じる。ダリューンもまた慎重論を唱え、アンドラゴラス王の不興を買い、万騎長の職を解かれる。そんな中、ヴァフリーズダリューンアルスラーン個人への忠誠を誓わせる。

戦闘が始まり、カーラーンの裏切りがあり、ルシタニア軍が勝利。アンドラゴラス王は銀仮面の男に捕虜にされ、大将軍ヴァフリーズ、万騎長マヌーチュルフ、万騎長ハイル、騎兵5万3千、歩兵7万4千が戦死。ルシタニア軍も圧勝のはずが、騎兵歩兵合わせて5万以上戦死。

戦場の中で何とか生き延びたアルスラーンは、彼を探すダリューンを見つける。ダリューンはバシュル山中に隠棲している友人ナルサスを頼るよう進言する。

 

<登場人物>(登場順。名前のみの登場は後述。)

王太子アルスラーン 14歳。晴れわたった夜空色の瞳。

大将軍(エーラーン)ヴァフリーズ 65歳

万騎長(マルズバーン)カーラーン

パルス国王(シャーオ)アンドラゴラス3世 44歳

万騎長ダリューン 27歳 パルス最強の武将。ヴァフリーズの甥。

モンフェラート ルシタニアの将軍。

ボードワン ルシタニアの将軍。

万騎長シャプール 36歳。

万騎長クバード 31歳。左眼が一文字に潰れている。

銀仮面の男 ルシタニア軍に協力するパルスの軍装の男。

(名前のみ)

ナルサス ダリューンの友人。奴隷という言葉を聞いてアンドラゴラスが思い出す。

     一国に冠絶する智略をもつひねくれ者。バシュルの山中に隠棲している。

タハミーネ王妃 アンドラゴラス王の妻。アルスラーンの母。

サーム 十二名の万騎長の一人。王都エクバターナ守備。

 

ガルシャースフ 十二名の万騎長の一人。王都エクバターナ守備。

キシュワード 十二名の万騎長の一人。東方国境守備。

マヌーチュルフ 十二名の万騎長の一人。アトロパテネの会戦にて戦死。

バフマン 十二名の万騎長の一人。東方国境守備。

クシャエータ 十二名の万騎長の一人。アトロパテネの会戦参加。

クルプ 十二名の万騎長の一人。アトロパテネの会戦参加。

ハイル 十二名の万騎長の一人。アトロパテネの会戦参加にて戦死。

英雄王カイ・ホスロー パルス歴代の王の一人。

聖賢王ジャムシード パルス歴代の王の一人。